研究主題
「子どもの心に読書の楽しさを広げる図書館づくり」
趣旨
人々の価値観やライフスタイルが多様化するとともに、社会全体のデジタル化が加速度的に進む中、一方で、本の世界に触れるきっかけを持てずに育つ子どもたちもいます。このような状況であるからこそ、人々が生涯にわたって本に親しみ、豊かな人生を築いていくことの大切さを改めて社会全体で共有し、子どもたちの読書活動をより充実させていくことが重要です。乳幼児期から児童期、そして青少年期のそれぞれの段階において、すべての子どもたちが読書の楽しさを味わい成長していくことのできる環境づくりが、いまこそ必要なのです。
そこで、今回の研究集会においては、地域における読書活動の拠点である図書館が、読書の楽しさを子どもたちの心に広げ、人々が将来にわたって読書に親しむ社会の実現に向けてできることを一緒に考えていきましょう。
開催形式
YouTubeによる限定配信(オンデマンド配信)
配信期間
令和7年12月8日(月曜日)から令和8年1月19日(月曜日)
対象
図書館職員、社会教育に関わる職員、教職員(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校等)、
保育所及びこども園等の職員、保護者、子どもの読書活動支援ボランティア等
参加費
無料
内容
(1)開会挨拶及び情勢報告(20分)
①令和7年度全国公共図書館研究集会(児童・青少年部門)実行委員会委員長(長崎県立長崎図書館長)挨拶
②公益社団法人日本図書館協会挨拶及び情勢報告
(2)基調講演(90分)
「子どもの本やヤングアダルトむけの本を訳してきて考えたこと」
金原 瑞人氏
1954年、岡山県生まれ。
翻訳家、児童文学研究家、法政大学社会学部教授を2025年3月末に御退職。
児童書やヤングアダルト文学を中心に海外文学の翻訳や本の書評などを行う。
法政大学では英語や翻訳の授業を行い、本についての魅力を伝えてこられた。
これまでに654冊の訳書と65冊の著作を手掛けている。(2025年8月末時点)
〈講演内容〉
1983年に最初の訳書を出してから、約40年の間に650冊ほどの作品を訳してきました。
この間に海外文学を取り巻く状況も、日本語もずいぶん変わりました。
そんな話をざっくばらんにお話ししようと思います。
(3)事例報告(各30分)
①「伊万里市民図書館YAサービスについて」
副島 陽子氏(伊万里市民図書館 児童・YAサービス担当者)
〈事例内容〉
30周年を迎えた伊万里市民図書館。子どもたちに寄り添ってYAサービスに取り組んできています。
伊万里市民図書館として、また、現在の担当として大切にしているサービスを紹介します。
現在のYAの子どもたちがおかれている環境の中で、子どもたちの成長を支えるためにできることを考え、
いかに本につなげていくのか、思いを伝えたいと思います。
②「ヤングアダルトサービスと図書館 ーYA世代の居場所を考えるー」
尾下 昭子氏(長崎市立図書館 児童・YAサービス担当者)
〈事例内容〉
YAボランティア、YA向け広報紙、交流ノート、SNS発信、職場体験、ライブラリーフェスティバル、
学校連携等、長崎市立図書館ヤングアダルトサービスの具体的な取り組みを紹介します。
③「長崎県の子ども読書活動推進計画について」
新谷 かほる氏(長崎県教育庁生涯学習課 県民学習班 指導主事)
〈事例内容〉
令和6年3月に策定した「第五次長崎県子ども読書活動推進計画」の事業内容を中心とした事例報告。